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GL血友病患者に対する止血治療ガイドライン2019年補遺版
GLインヒビターのない血友病患者に対する止血治療ガイドライン2013年改訂版
GL後天性血友病A診療ガイドライン2017年改訂版
GLvon Willebrand病の診療ガイドライン2021年版
ニュートピックス
・後天性血友病A患者における出血傾向の抑制にエミシズマブが承認され,止血療法の治療選択肢が増えた.
・2023年9月(本項執筆後)に,組織因子経路インヒビター(TFPI)に対する単クローン抗体であるコンシズマブ(アレモ)注がインヒビター保有血友病に対して,より半減期が長い第Ⅷ因子製剤であるエフアネソクトコグアルファ(オルツビーオ)注が血友病Aに対して,それぞれ国内製造販売承認された.
治療のポイント
・血友病の治療は,出血時や観血的処置時の止血療法と出血予防(特に関節出血)のための定期補充療法に分けられる.
・血友病の出血時治療は,凝固因子に対する中和抗体(インヒビター)がない場合には欠損する凝固因子を補充し,インヒビターが生じた場合には活性型第Ⅶ因子を含むバイパス療法を行う.
・血友病Aの出血予防には,投与頻度が少なく,皮下投与が可能なエミシズマブが利用できる.
・von Willebrand病(VWD)の軽症例の止血にはデスモプレシンが第1選択で,重症例および侵襲性の高い観血的処置の際にはvon Willebrand factor(VWF)製剤を用いる.
・後天性血友病Aの治療は,止血療法に加え,自己抗体抑制のために免疫抑制療法を行う.
◆病態と診断
A病態
・血友病Aは血液凝固第Ⅷ因子(FⅧ),血友病Bは血液凝固第Ⅸ因子(FⅨ)の遺伝子異常による先天性出血性疾患である.
・血友病は血中の凝固因子低下により,出血に対する凝固血栓が生じにくくなる.
・VWDはvon Willebrand factor(VWF)の遺伝子
関連リンク
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