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治療のポイント
・アレルギー性鼻炎合併喘息において,喘息に対するロイコトリエン受容体拮抗薬(LTRA:leukotriene receptor antagonist)の効果が高い可能性がある.
・ダニやスギに感作されたアレルギー性鼻炎合併喘息では,アレルゲン免疫療法によって,双方のコントロールが改善する可能性がある.
・重症喘息に用いるオマリズマブは重症季節性アレルギー性鼻炎に,デュピルマブは鼻茸を伴う慢性副鼻腔炎に適応を有しており,喘息と併存する鼻疾患の包括的治療が可能である.
◆病態と診断
A病態
・気管支喘息の約70%がアレルギー性鼻炎を併発し,鼻炎合併喘息は,非合併喘息より喘息コントロールが不良である.スギ花粉症を併存する場合は,飛散期に喘息症状が悪化する.
・鼻炎合併喘息では,ダニなどの共通アレルゲンによって,上下気道双方のアレルギー性炎症が生じる.アレルギー性鼻炎の上気道で産生された炎症性メディエーターは,血行性に,あるいは後鼻漏によって下気道の炎症細胞を活性化する.好酸球などの炎症細胞の骨髄での分化も誘導される.
・鼻閉による口呼吸によって,下気道へのアレルゲン吸入が亢進し,吸気の温度・湿度が低下する.
・好酸球性副鼻腔炎は,鼻・副鼻腔粘膜における著しい好酸球浸潤を認める疾患であり,鼻茸形成,嗅覚障害を特徴とする.アスピリン喘息(NSAIDs不耐症喘息)での合併率が高い.
B診断
・気管支喘息は,発作性で可逆的な呼吸困難,喘鳴,胸苦しさ,咳嗽などの症状を認める.気道炎症の指標として,呼気一酸化窒素濃度や血中好酸球数,特異的血清IgE抗体を診断の参考にする.
・アレルギー性鼻炎は,反復性のくしゃみ,水様性鼻漏,鼻閉を3主徴とする.病型はくしゃみ・鼻漏型と鼻閉型があり,通年性と季節性に分類される.特異的IgE抗体は,原因アレルゲン推定に有用である.
・好酸球性副鼻腔炎は,篩骨
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