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治療

関節リウマチ―関節外症状の治療
treatment of extra-articular manifestations in rheumatoid arthritis
藤井隆夫
(和歌山県立医科大学附属病院教授・リウマチ・膠原病科学)

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GL関節リウマチ診療ガイドライン2020

ニュートピックス

・「関節リウマチ関連リンパ増殖性疾患の診断と管理の手引き」が2022年6月に発刊された.リンパ増殖性疾患(LPD:lymphoproliferative disorders)発症が強く疑われた場合,メトトレキサート(MTX:methotrexate)などの免疫抑制薬をまず中止し,2~4週間自然消退が認められないか慎重に観察する.

治療のポイント

・関節外症状は抗リウマチ薬の選択に影響を与えるため,関節リウマチ(RA:rheumatoid arthritis)治療の前に十分に評価しておく必要がある.

・関節外症状には副腎皮質ステロイド(以下ステロイド)を長期に使用することが多いため,その副作用には十分注意を要する.

・関節外症状の発生を抑制するためには,日頃から抗リウマチ薬によりRAの活動性を十分抑制しておくことが肝要である.

◆病態と診断

A病態

・古くから,血管炎(リウマトイド血管炎)をはじめとする難治性の関節外症状を認めた場合,本邦では「悪性関節リウマチ」とよばれ指定難病となる.RAは自己免疫疾患であるが,悪性関節リウマチでは通常リウマトイド因子が高力価で,IgG型の陽性率が高い.

・RAは全身性疾患で,眼症状,皮膚症状,肺症状,心症状,消化器症状,神経症状など多彩な関節外症状を認めるが,間質性肺疾患(ILD:interstitial lung disease),胸膜炎が比較的高頻度である.

・本邦において,RA患者は非RA患者に比しLPDの頻度が4~5倍高い.免疫抑制薬を使用している場合,other iatrogenic immunodeficiency-associated LPD(OIIA-LPD)とよばれ,EBウイルスの再活性化がしばしば認められる.しかし薬剤と関連がない場合もあり,OIIA-LPDを含めて

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