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GL神経障害性疼痛薬物療法ガイドライン改訂第2版(2016)
GL脳卒中治療ガイドライン2021[改訂2023]
治療のポイント
・しびれ,疼痛の性状をとらえ,QOLにどの程度影響を与えているか確認する.
・そのうえで必要な治療を提供する.
◆病態と診断
A病態
・視床痛は中枢性脳卒中後疼痛(CPSP:central post-stroke pain)で最も多く,脳梗塞や脳出血の後遺症としてみられる.
・視床後外側腹側(VPL:ventral posterolateral)核の病変が多く,ほかにCPSPとしては延髄外側症候群などに多い.
・病態としては,視床の障害,異常な神経伝達処理,また中枢性感作,脊髄視床路の機能障害,脱抑制など複合的な要因で生じる.
・一般的に脳卒中発症後1~2か月以内に症状が出現するが,まれに数年後に発症する例もある.
・一側上肢,下肢,顔面,口周囲などに出現し,通常同部位の感覚低下や消失を伴い症状は持続性か間欠性である.
・灼熱感,刺すような痛み,圧痛,正座のあとのような痛みなど訴えはさまざまで,時に異痛症(allodynia)をきたす.
・内的,外的ストレスにより症状が悪化し,QOLの低下,リハビリの妨げ,睡眠障害の原因となり,自傷行為や自殺企図に影響することもある.
B診断
・一側上肢,下肢,顔面,口周囲などのしびれや疼痛の有無を確認する.
・症状に一致する対側の視床の脳梗塞や脳出血がCTやMRIで明らかで,脳卒中発症時期と症状出現時期に関連が認められれば診断は困難ではない.
・患者のしびれや疼痛の訴えを聞き漏らさないことが重要である.
◆治療方針
治療の目的は,患者が苦痛に感じている症状を緩和し,QOLを改善することである.ガイドラインの指針に従い薬物療法を第1選択とするが,複数の薬剤を使用しても難治性の場合は外科治療について専門医にコンサルトする.