頻度 あまりみない
GL軟部腫瘍診療ガイドライン2020改訂第3版
GL原発性悪性骨腫瘍診療ガイドライン2022
治療のポイント
・骨・軟部に生じる悪性腫瘍の鑑別として,原発性の肉腫,がんの遠隔転移,血液腫瘍(骨髄腫など)が挙げられる.肉腫は希少がんであり,高齢者で悪性骨・軟部腫瘍を疑う場合には,常にがんの骨転移・軟部転移や骨髄腫などの血液がんの可能性を考慮しなければならない.
・骨・軟部肉腫では,組織型を考慮した治療を行うため,生検が必須である.
・骨・軟部肉腫を疑う場合には,日本整形外科学会認定骨・軟部腫瘍医がいる大学病院やがんセンターなどに紹介することが望ましい(https://www.joa.or.jp/public/speciality_search/bone.html).
◆病態と診断
A病態
・肉腫とは,間葉系(骨,軟骨,脂肪,筋肉など)と末梢神経系の悪性腫瘍の総称である.
・骨・軟部肉腫は希少がんであり,骨原発の肉腫は人口10万人あたり約0.8人,軟部肉腫は約4.0人の発生頻度である.
・骨・軟部肉腫では数十種類の組織型があり,悪性度,局所浸潤能,転移能や転移部位,全身治療や放射線治療への反応性が異なるため,針生検や切開生検により病理診断を確定してから治療を開始する.
・骨原発の肉腫の約40%が骨肉腫であり,軟骨肉腫,ユーイング肉腫,脊索腫が続く.
・軟部肉腫は,脂肪肉腫,未分化多型肉腫,粘液線維肉腫,平滑筋肉腫,滑膜肉腫の順に多い.
B診断
・骨・軟部の腫瘍を疑ったら,局所の単純X線検査,造影MRI検査などを行い,悪性所見の有無を確認する(図).骨腫瘍に対しては造影CT検査も行う.
1.骨原発の肉腫
・高齢者に悪性を疑う骨腫瘍がある場合は,がんの骨転移(人口10万人あたり100人以上に発生)や,骨髄腫などの血液がんである可能性を考え,局所の精査と同時に全身精査を行う.
・単純X線像において,