診療支援
治療

尿路・性器結核
genitourinary tuberculosis
梁 英敏
(りょうクリニック・院長(大阪))

頻度 あまりみない

治療のポイント

・尿路・性器結核の症状は非特異的であり,難治性の尿路感染症として遭遇する場合が多い.

・BCG注入療法に関連して起こることもあるが,ほとんどが肺結核を背景として起こる疾患であり,念頭においたうえで詳細な問診をとることが診断の鍵である.

・結核菌は耐性化を起こしやすい病原体であり,厳格かつ適切な長期の多剤併用抗菌薬治療が治療の根幹である.

◆病態と診断

A病態

・尿路・性器結核は肺外結核としてリンパ節・胸膜炎に続いて多いといわれているが,近年新規登録患者数は年間100人弱で推移しており減少傾向となっている.

・尿路・性器結核は一般的に尿路から直接感染をきたすことはまれで,肺結核病変からの血行性感染が主な感染ルートとなる.

・腎から膀胱,膀胱から精巣上体や前立腺などの性器結核をきたし,多彩な尿路不定愁訴をきたす.

・腎結核が進行すると腎杯は石灰化し漆喰腎とよばれる状態となり,機

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