診療支援
治療

Ⅱ.下気道感染症の外来治療
藤本卓司
(耳原総合病院・救急総合診療科部長)


A.急性気管支炎


 急性気管支炎の原因で最も多いのはウイルス性であり,ふつう抗菌薬を必要としない.感冒と同様,喀痰が膿性に変化しても必ずしも細菌感染症を意味しない.喀痰が膿性に変化したらグラム染色を行う.ウイルス感染症に続発する細菌感染症は,S.pneumoniaeStaphylococcus aureusH.influenzaeによることが多い.健常者のS.aureus肺炎はウイルス感染後でなければまれである.S.aureus肺炎は入院適応である.

 一過性の血痰はウイルス性の急性気管支炎でよくみられる.しばらく様子をみて構わない.

1.治療

 多くの場合,抗菌薬は不要である.もし用いるなら以下のように処方する.

 (1)S.pneumoniaeH.influenzaeM.catarrhalisを疑うとき

 オーグメンチン 1回375mg,1日3~4回に加えて,

 サワシリン 1回250m

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