作成グループ名
日本高血圧学会高血圧治療ガイドライン作成委員会(委員長:梅村敏).
作成時期
2019年4月25日に書籍として刊行された(ライフサイエンス出版).日本高血圧学会のホームページにも概要が掲載され,2019年9月に日本高血圧学会の学会誌であるHypertension Researchに掲載された(42巻,pp1235-1481).また,ダイジェスト版が2019年10月25日に刊行され(ライフサイエンス出版),日常診療における対応を簡潔にまとめた「高血圧診療ガイド2020」が2020年4月に刊行された(文光堂).
改訂予定の有無
ガイドラインの遵守状況の評価や新たなエビデンスを反映するため,2025年に次期ガイドラインを刊行する予定である.
準拠したエビデンスの分類,勧告・推奨の分類など
A.作成手順
JSH2019では,従来の作成方針に基づく教科書的記載法に加え,日本医療機能評価機構の「Minds診療ガイドライン作成マニュアルVer.2.0(2016.03.15)」などで記載されているように,高血圧治療に関する臨床課題(クリニカル・クエスチョン:CQ)17項目を抽出し,それらに対するエビデンスをシステマティックレビュー(SR)することにより,現在のエビデンスを明らかにするとともに推奨文を作成することを基本とした.教科書的記載のなかには,エビデンスはSRできるほどないが,実地医家が臨床上疑問に思っている9項目についても,クエスチョン(Q)として,それに答えた.SRは各CQについて複数の若手医師を中心に行い,CQに関し文献データを収集し,選択したすべての研究報告をアウトカムごと,研究デザインごとに評価し,その結果をまとめ(エビデンス総体),評価・統合した.介入によるアウトカムには,期待される効果(益)と,有害な事象(害)が含まれる.このバランスを考慮し,「推奨」を決定した.