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4 関節リウマチ

関節リウマチの疫学

日本人のおおよそ300人に1人が関節リウマチを発症すると推測されている.

35-60歳の女性に発症が多い.

遺伝・性ホルモン・それ以外の環境因子などが発症に関与していると考えられている.

1999年度の日本人(n=51,470)の関節リウマチ有病率は0.33%,男女比は1:5.4との報告がある〔老年医学. 2005; 43(6): 855-9〕.

性ホルモンとの関連が強く,特に更年期や出産後に発症のリスクが高いが,経口避妊薬〔Arthritis Rheum. 1990 Feb; 33(2): 173-9〕や妊娠〔Arthritis Rheum. 1990 Dec; 33(12): 1770-5〕は抑制的に働く.

遺伝的要因として関節リウマチはHLA-DR4との関係が強く,関節リウマチ患者の70%程度がHLA-DR4とされる.

30%で家族歴を認める.第一度近親者以内に関節リウマチの家族歴があれば関節リウマチの発症率は2倍となり,兄弟に関節リウマチがあれば発症率は5%で,一卵性双生児で片方に関節リウマチがあれば発症率は25%とされる.

自己免疫性甲状腺疾患やSjögren症候群は関節リウマチと合併することも多い.

関節リウマチの臨床所見・分類基準

手関節・MCP関節・PIP関節・第1IP関節・MTP関節の関節炎では関節リウマチの可能性を考える.罹患関節が多いほど,また罹患期間が長いほど(6週間以上),その可能性は高くなるが,他の膠原病(SLE),ウイルス感染症(パルボB19ウイルス,肝炎ウイルス,風疹),反応性関節炎,乾癬性関節炎を除外することが重要である.

リウマトイド結節はあれば有用だが頻度は低い.

高齢発症の関節リウマチは急性の肩や膝などの大関節炎で発症することも多く,発熱・体重減少も高頻度であるとされる.

米国リウマチ学会(ACR)の分類基準(198

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