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6 壊死性筋膜炎

壊死性筋膜炎

外科的ドレナージを必要とし,死亡率も高いことから早期に認識することが非常に重要な疾患である.

死亡率は6-76%と報告されている〔Ann Surg. 1995 May; 221(5): 558-63〕.

壊死性筋膜炎の起因菌推定

糖尿病・アルコール依存症などを素因として複数菌が関与することが多く(type Ⅰ),広域な抗菌薬カバーが必要だが,典型的なパターンであれば単独菌による感染(type Ⅱ)を疑うことはできる.

24時間以内の潜伏期で,時間単位で急速進行する場合は,A群連鎖球菌とClostridiumを考える.前者は軽微な外傷を契機に起こり,境界が明瞭な紅斑が見られることがある.後者は外傷を契機に起こるC. perfringensC. novyiが多いが,C. septicumが検出されれば消化管癌の存在を疑う.

動物咬創によるPasteurella multocida,淡水との接触によるAeromonas hydrophila,海水との接触によるVibrio vulnificusによって起こる壊死性筋膜炎も比較的潜伏期が短い.

一方,大腸菌や腸内細菌群によるものは48-72時間以上の潜伏期があり,進行も数時間というよりも日単位での経過をとることが多い.

糖尿病(51%),肝硬変(29%),アルコール依存症(21%)などの合併が多く,合併症がないのは18%のみという報告がある〔J Microbiol Immunol Infect. 2005 Dec; 38(6): 430-5〕.


壊死性筋膜炎の起因菌

▶複数菌感染が多いが,単独菌ではA群連鎖球菌,ブドウ球菌,C. perfringensが多い.

MEMO‍ Vibrio vulnificusによる壊死性筋膜炎

比較的温暖な時期に汚染された魚介類を摂取したり海水中で外傷を受けると48時間以内に発症する.

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