脱水の症候
◉成人においては口腔内の乾燥や舌の縦皺の感度が比較的高く,腋窩の乾燥は特異度が比較的高い.
◉小児では体重測定が最もよい.循環虚脱徴候(毛細血管再充満時間>2秒,冷たい末梢),涙消失,ツルゴール低下があれば脱水を疑う.全身状態良好で粘膜乾燥がなければ脱水の可能性は低い.
●細胞内脱水と循環血漿量減少図
●成人における脱水の所見図
●高齢者における高張性脱水(血清浸透圧≧295mOsm/kg)の診断
▶不感蒸泄の減少や尿濃縮力の低下(加齢性変化,もしくは利尿剤投与)のため,水分摂取量や尿量による脱水の推定は難しい.
▶腋窩の乾燥の信頼性が最も高い.
▶高齢者ではコラーゲンの減少によりツルゴール低下,口呼吸で口が乾燥し,眼窩脂肪の減少で眼窩が窪むため,経時変化が重要である.
▶高齢者の毛細血管再充満時間は4.5秒まで正常と考えられる〔Ann Emerg Med. 1988 Sep;17(9):932