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10 心不全

心不全の疫学

左室収縮機能障害は,冠動脈疾患の罹患率が高い高齢男性では特に高頻度に認められる.

HFpEF(LVEF≧50%である心不全)は,高血圧症や心房細動の既往のある高齢女性に比較的多い.

左心不全の有病率

心不全の患者背景


心不全のリスク要因

心不全の原因としては心筋虚血,弁膜症,心筋症,高血圧症が重要である.

呼吸困難の患者において腎不全,心不全,心筋梗塞の既往は心不全の可能性を高めるが,肺気腫があっても心不全の可能性はわずかにしか下がらない.

急性増悪の契機として食餌や薬剤へのアドヒアランス低下,急性感染症,心筋虚血,不整脈(発作性心房細動など),高血圧が重要である.

虚血がないのに急激な肺水腫(flash pulmonary edema)を繰り返す場合は,両側腎動脈狭窄症を考える.

心不全の原因疾患(n=1,536)

甲状腺機能亢進症,高度な貧血,脚気,動静脈シャントでは

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