一般血算による貧血の鑑別
◉MCVが80fL未満の小球性貧血とMCVが100fLを超える大球性貧血はそれだけで鑑別診断が絞られる.
◉正球性貧血には種々の原因があるが,大球性貧血と小球性貧血が混在しているためにMCVが正常範囲に収まっている場合もありうる.後者では特にRDWの開大が著明となる.
●MCV(平均赤血球容積)
▶MCVによる分類は非常に有用ではあるが,絶対的なものではない.例えば鉄欠乏性貧血(フェリチン<15ng/mL)でMCV<80fLとなるのは48%で残りは正球性貧血を呈し〔J Gen Intern Med. 1990 May-Jun;5(3):187-91. PMID:2187961▶〕,巨赤芽球性貧血で大球性貧血(MCV≧99~102)となるのは77%である〔Scand J Clin Lab Invest. 2000 Feb;60(1):9-18. PMID:10757449▶
関連リンク
- ジェネラリストのための内科診断リファレンス 第2版/8 汎血球減少
- 今日の治療指針2024年版/二次性貧血
- 臨床検査データブック 2023-2024/血球計数 赤血球数〔RBC〕血色素量《ヘモグロビン〔Hb〕》ヘマトクリット〔Ht〕網赤血球数〔Ret〕 [パニ][保]*
- 新臨床内科学 第10版/【1】貧血
- 新臨床内科学 第10版/【1】血算(全血球計算)の読み方
- 新臨床内科学 第10版/【9】遺伝性球状赤血球症
- 新臨床内科学 第10版/【12】異常ヘモグロビン症
- 新臨床内科学 第10版/【13】サラセミア
- 今日の診断指針 第8版/自己免疫性溶血性貧血
- 今日の診断指針 第8版/遺伝性球状赤血球症