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6 百日咳

百日咳の病歴・身体所見

百日咳は小児に多い病気ではあるが,成人においても慢性咳嗽では鑑別に加えるべきである.

急性上気道炎後に3-6週間続く激しい咳が特徴的だが,発熱を伴うことは稀である.

夜間~明け方の発作性咳嗽,発作後嘔吐,吸気性笛声(whooping)が特徴的であるが,特にワクチン接種歴がある場合や成人では非典型例も多い.

臨床症状だけでは診断は困難であり,流行歴や患者・小児との接触歴も確認する.

百日咳は5類感染症の全数把握疾患であり,診断後7日以内の届け出が必要である.


感染から1-3週間(6-10日間のことが多い)の潜伏期間を経て,カタル症状が1-2週間継続し,徐々に咳が増強し痙咳期が3-6週間継続し,徐々に回復して咳が治まるまで合計2-3か月かかるのが典型的な経過である.

感染後3週間は感染性があると考えられているが,適切な抗菌薬投与後5-7日で感染性は消失する.カタル期を過

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