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16 ヘルペス脳炎

ヘルペス脳炎の疫学

単純ヘルペスウイルス(HSV)によるヘルペス脳炎はウイルス性脳炎のなかで最も多い.

高頻度で後遺症を残す重篤な疾患である.

日本における感染性脳炎の原因(1989-1991年,原因の判明した835例)

日本におけるヘルペス脳炎の頻度は3.5/100万人年である〔Intern Med. 2002 Jun;41(6):420-8. PMID:12135172〕.


後遺症(n=97)

後遺症の内訳


ヘルペス脳炎の臨床所見

数日の経過で進行する発熱と精神神経症状で発症する.

発熱・意識障害・神経巣症候は高頻度であるが,髄膜刺激徴候は低頻度である.

辺縁系脳炎として発症することが多く,記憶障害,性格変化,行動異常,てんかん,嗅覚や味覚の変化,Klüver-Bucy症候群を来しうる.

単純ヘルペスウイルスによる中枢神経感染症のタイプ(n=96)

ヘルペス脳炎の臨床所見

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