病態
持久性隆起性紅斑(EED)は皮膚に限局する壊死性血管炎と線維化をきたす慢性再発性好中球性皮膚疾患である.
【頻度】まれな疾患であり,30~60歳代に多く,性差はない.
【病因・発症機序】①齲歯,歯周炎,慢性副鼻腔炎などの症状を合併することが多いことから,細菌感染アレルギーによるArthus型反応によるという考えがある.②一方,本症でみられる血管炎には免疫複合体を介した好中球浸潤による血管障害のほか,IL-8を含むサイトカインと抗好中球細胞質抗体(ANCA:antineutrophil cytoplasmic antibody),高IgA血症などの関与も推測されているが,詳細は不明である.
【臨床症状】①特に肘や膝などの四肢伸側,関節背面,臀部に左右対称性に多発する暗赤色の軽度隆起性の浸潤性紅斑または局面であり,環状を呈することもある.まれに水疱・血疱,痂皮と潰瘍を形成し,時に黄色腫様結節,疣状病変など多彩な臨床像を呈する.②慢性期には線維化により病変が瘢痕ケロイド様に触れる.③合併症に骨髄線維症,異常蛋白血症,肺線維症,関節リウマチなどの全身疾患がある.
診断
【鑑別診断で想起すべき疾患】蕁麻疹様血管炎,Sweet病,Kaposi肉腫,Duhring疱疹状皮膚炎,皮膚線維腫,環状肉芽腫,リウマトイド結節,多形紅斑,扁平苔癬,サルコイドーシス,結節性黄色腫など,多彩である.
【問診で聞くべきこと】合併症の詳細な確認.
【必要な検査とその所見】①病理組織学的検査:初期には真皮小血管のleukocytoclastic vasculitisを呈し,慢性期には線維化が著明となり,時に肉芽腫様変化をきたす.②その他の検査:CRP,ASLOの上昇,一般検査では高γグロブリン血症(特にIgA型).
【診断のポイント】①特徴的な分布を示す隆起性浸潤性紅斑と多彩な皮疹が慢性に経過しながら瘢痕ケロイド状と
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