診療支援
治療

Sweet症候群(Sweet病),急性熱性好中球性皮膚症
Sweet syndrome (Sweet disease),Acute febrile neutrophilic dermatosis
中村 晃一郎
(埼玉医科大学教授)

病態

 Sweet症候群は,1964年に高熱,特異な皮疹,末梢血好中球増多を生じ,組織学的に真皮に好中球浸潤をきたした8症例をまとめてSweetが,acute febrile neutrophilic dermatosisとして報告した疾患である.これまで,先行する上気道感染などの感染症,悪性腫瘍の合併,薬剤による誘発などが報告されている.

【臨床症状】典型疹は母指頭大までの,辺縁が隆起する紅色調の浮腫性紅斑(図6-8,図6-9),丘疹,結節である.顔面,頸部,項部,上肢に散在性に多発し,圧痛,自発痛を伴う.体幹にも生じる.皮疹は次第に暗紫色となり色素沈着を残す.瘢痕は残さない.時に膿疱,水疱を生じるほか,毛包炎様皮疹,口内炎,針反応を認めることがある.多くの場合,上気道感染や発熱が先行する.上記の典型例以外に,基礎疾患に血液疾患や悪性腫瘍を有する症例がある.この場合は上気道感染症状や

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