診療支援
治療

エリテマトーデス(2)SCLE
Subacute cutaneous lupus erythematosus:SCLE
小寺 雅也
(JCHO中京病院部長)

病態

 皮膚エリテマトーデスと全身性エリテマトーデスの中間型として亜急性皮膚エリテマトーデス(SCLE:subacute cutaneous lupus erythematosus)が提唱されている.皮疹は,環状連圏状型(図12-2)と丘疹鱗屑型に分類される.皮疹出現時には発熱や関節痛など軽度の全身症状がみられることが多く,皮疹は瘢痕を残さず治癒する.


診断

 約半数で低抗体価であるが抗核抗体陽性であり,数十%で抗SS-A抗体が陽性となる.全身性エリテマトーデスの分類基準を満たす例も存在するが,ループス腎炎,中枢神経ループスなどを合併する重症例はほとんどない.皮膚生検では,著明な過角化,毛孔角栓形成,表皮萎縮,表皮基底層の液状変性がみられる.蛍光抗体直接法では,全身性エリテマトーデスでは,皮疹部と無疹部ともに免疫グロブリンや補体の沈着がみられるが,SCLEでは蛍光抗体直接法が陰性のことが多い点が鑑別のポイントになりうる.


治療

a.軽症例の場合

 皮疹の範囲が小さい場合や発熱,倦怠感,関節痛など全身症状を伴わない場合はステロイド軟膏やタクロリムス軟膏外用治療も有効なことがある.

Px処方例 下記を併用する.

マイザー軟膏 1日2回 塗布(体幹,四肢)

プロトピック軟膏 1日1回 塗布(顔面など) [保外]

b.中等症以上の場合

 皮疹の範囲が広い場合や発熱,関節症状などの全身症状を伴う場合は,内服薬による全身投与を考慮する.少量~中等量の内服ステロイドやヒドロキシクロロキンが有効なことがある.

Px処方例 下記を併用する,もしくはいずれかを単剤で用いる.

1)プレドニゾロン錠 1日10~20mg

2)プラケニル錠(200mg) 1回200~400mg 1日1回(理想体重に応じて投与量を決める)

□生活指導のポイント‍ 日光曝露後に皮疹が増悪する例も多く経験されているため,日焼け止めクリームな

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