診療支援
治療

その他の皮膚T細胞リンパ腫(非菌状息肉症型)
Cutaneous T cell lymphomas(Non mycosis fungoides/Sézary syndrome)
菅谷 誠
(国際医療福祉大学主任教授)

病態

 T細胞が皮膚で腫瘍性に増殖している状態.原発性皮膚CD8陽性急速進行性表皮向性細胞傷害性T細胞リンパ腫(PCAETCL:primary cutaneous aggressive epidermotropic CD8+ T-cell lymphoma),原発性皮膚末端型CD8陽性T細胞リンパ腫(PCATCL:primary cutaneous acral CD8+ T-cell lymphoma)ではCD8陽性T細胞が増殖しており,皮下脂肪織炎様T細胞リンパ腫(SPTCL:subcutaneous panniculitis-like T-cell lymphoma),原発性皮膚γδT細胞リンパ腫(PCGDTCL:primary cutaneous γδ T-cell lymphoma)でも腫瘍細胞がCD8陽性であることが多い.


診断

【鑑別診断で想起すべき疾患】肉芽腫や全身性リンパ腫の皮膚浸潤,悪性腫瘍の皮膚転移などを考える.SPTCLでは,膠原病に伴う脂肪織炎や結節性紅斑,脂肪腫も鑑別になる.

1.問診で聞くべきこと

 皮疹の発生時期や増殖・増数スピード,自覚症状の有無,ステロイド外用薬への反応性など.

2.臨床症状からの診断

 PCAETCLでは,しばしば中央に潰瘍を伴う浸潤性紅斑が特徴的である(図25-6).PCATCLは耳が好発部位で,鼻や手足に浸潤性紅斑を生じる.SPTCLは単発ないし多発する皮下結節を呈する.若い女性に多く,また自己免疫性疾患の合併頻度が高く,ループス脂肪織炎との鑑別は困難である.PCGDTCLは四肢に発疹が好発する傾向はあるが,症例ごとの差が大きい.

3.病理組織学的検査

 PCAETCLでは,核異型の強い腫瘍細胞が表皮内および真皮に浸潤する.PCATCLは主に真皮内に,SPTCLでは脂肪織内に腫瘍細胞が浸潤する.前者は比較的炎症細胞が少ないが,後者は好

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