病態
リンパ管炎はリンパ行性に生じた感染性炎症で溶連菌によるものが代表的である.リンパ節炎は一般細菌感染が代表であるが,時に抗酸菌,真菌,ウイルス,原虫などまれな病原微生物により惹起されることがあるので注意が必要である.
【臨床症状】①リンパ管炎は主として下腿から大腿に生じ,リンパ管の走行に沿って鮮紅色から暗紅色の圧痛を伴う紅斑を形成する(図27-10)図.症状が急速に進行することも多く,溶連菌感染によることが多い.丹毒,壊死性筋膜炎の合併またはこれらへの移行にも注意すべきである.②リンパ節炎は鼠径部,頸部,腋窩などのリンパ節の腫脹,圧痛をきたすものである.種々の感染症に伴って生じうるため,局所のみならず咽頭,扁桃,歯周,趾間などを中心に全身の観察が推奨される.
診断
リンパ管炎は下肢に生じることが多いので,その部位に好発する結節性紅斑,うっ滞性脂肪織炎などとの鑑別を要することがある.リンパの