疾患を疑うポイント
●若年者の肺炎で,膿性痰を欠如,咳嗽が強い,白血球数が正常などの非定型肺炎の病像に合致する.
●β-ラクタム系抗菌薬が無効で,マクロライド系,テトラサイクリン系,ニューキノロン系の抗菌薬が有効である.
●家族や周囲に同様の症状を呈する者がいる.
学びのポイント
●若年者の市中肺炎で,最も頻度の高い肺炎である.
●しばしば,集団内流行を起こす肺炎である.
●肺外症状を合併することがある.
●マクロライド耐性肺炎マイコプラズマによる感染症がみられる.
▼定義
肺炎マイコプラズマ(Mycoplasma pneumoniae)による,肺実質の炎症.
▼病態
肺炎マイコプラズマは,自己増殖が可能な最も小さい微生物であり,生物学的には細菌に分類される.感染様式は,感染患者からの飛沫感染および接触感染によるが,しばしば学校内あるいは家庭内での集団感染が起こる.
経気道的に侵入した肺炎マイコプラズマは,気