基準値

●GH分泌刺激試験としての基準値　GHの頂値6ng/mL以上，成人では3ng/mL以上(リコンビナントヒトGHを標準品として測定)

●ACTH-コルチゾール分泌刺激試験としての基準値

・ACTHの頂値：前値の1.5倍以上，または50pg/mL以上

・コルチゾールの頂値：20μg/dL以上

測定法

・速効性インスリン0.1U/kgを生理食塩液で1～2mLに薄めて単回静注

・糖尿病やインスリン抵抗性のある場合には0.15U/kgに増量．副腎皮質不全など低血糖が起こりやすい場合には0.05U/kgに減量するか，他の負荷試験を用いる．注射前(0分)，注射後30，60，90，120分後にGH(RIA，EIA，FIA法)，血糖を測定

・ACTH-コルチゾール系をみる場合にはコルチゾール(必要に応じACTHも)測定(RIA，EIA，FIA法)

検体量　血清0.5mL

日数　数時間～5日

目的　GH・ACTH分泌不全の診断と評価

Decision Level

●GH頂値3～6ng/mL(軽度減少)(リコンビナントヒトGHを標準品として測定)

[可能性]中等症GH分泌不全性低身長症　[対策]GH分泌予備能の低下が考えられる場合には，複数のGH分泌刺激試験を行ってGHの分泌低下を確認する必要がある．また，血中IGF-Ⅰ(ソマトメジンC)値，尿中GH排泄や睡眠時GH分泌など生理的なGH分泌を反映する指標もGH分泌能を知るうえで参考となる

●GH頂値1.8～3ng/mL(中等度減少)(リコンビナントヒトGHを標準品として測定)

[高頻度]重症GH分泌不全性低身長症，中等度成人GH分泌不全症　[可能性]GH単独欠損症，視床下部障害によるGHRHの分泌低下，GH分泌不全，Pit-1異常症，Prop-1異常症　[対策]①下垂体機能低下症は腫瘍性や炎症性病変，またSheehan症候群によって起こることが多く，その原因診断のために