基準値
・RIA固相法:0.34~3.5μU/mL
・ECLIA:0.523~4.19μU/mL
測定するアッセイ系によって基準値は多少異なるので,用いるアッセイ系の基準値を参照すること
・IFCC基準適合検査値:0.61~4.23mIU/L
測定法 RIA固相法,ECLIA,EIA,CLEIA,CLIA,FIA
検体量 血清0.5mL
日数 数時間~5日
目的 甲状腺機能異常の診断と評価
Decision Level
●高値
[高頻度]原発性甲状腺機能低下症 [可能性]TSH不適合分泌症候群(SITSH) [対策]①原発性甲状腺機能低下症を起こす代表的な疾患は橋本病で,原因の70~80%を占める.びまん性甲状腺腫大がみられ抗サイログロブリン抗体や抗甲状腺ペルオキシダーゼ抗体が陽性となる.また,CT,超音波検査での内部不均一な甲状腺腫などが診断の助けとなる.まれにではあるが橋本病が多腺性自己免疫症候群Ⅱ型の一症状としてみられることがある.橋本病以外の原発性甲状腺機能低下の原因としては,甲状腺全摘後や放射性ヨード治療後,異所性甲状腺などの形成異常,甲状腺ホルモン合成障害などがある.②TSH不適合分泌症候群は血中甲状腺ホルモン,特に遊離T4の高値を伴ったTSH過剰分泌の病態で,下垂体TSH産生腫瘍と甲状腺ホルモン不応症が主要な原因となる.下垂体TSH産生腫瘍は比較的まれな下垂体腺腫であるが,この腺腫からのTSH分泌は甲状腺刺激ホルモン放出ホルモン(TRH)負荷に反応しないこと,T3抑制試験で抑制されにくいこと,血中TSH-α-サブユニットが高値であること(α-サブユニット/TSHモル比が1以上)などが特徴的とされている(α-サブユニットの測定は保険未収載).これらの所見と下垂体MRI画像により診断する.甲状腺ホルモン不応症(Refetoff症候群)は,主にβ型甲状腺ホルモン受容体(TRβ)遺伝子かそ
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