診療支援
検査

CRH(CRF)負荷試験(コルチコトロピン放出ホルモン負荷試験)   1,200点(包)
corticotropin releasing hormone (factor) test
加治 秀介
(兵庫県立大学名誉教授)

基準値

●判定

・副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)の頂値が前値の1.5倍以上,もしくは頂値が30pg/mL以上

・コルチゾールの頂値が15μg/dL以上


測定法

・CRH(100μg/mL/バイアルで市販)100μgを単回静注し,投与前(0分),投与後15,30,60,120分にACTH(RIA法),コルチゾール(EIA法)を測定する

・「ACTH」「コルチゾール」の項参照


検体量 血清各0.5mL


日数 数時間~5日


目的 ACTH分泌異常の診断と評価


Decision Level

●ACTHの前値が低値で無反応

[高頻度]下垂体機能低下症,外因性糖質コルチコイド投与 [可能性]ACTH単独欠損症,CRH分泌不全 [対策]①下垂体機能低下症,ACTH単独欠損症ではコルチゾール値が低く,ACTHの日内変動がみられない.②下垂体機能低下症の場合にはMRI画像などで器質的な変化がみられることが多い.③ACTH単独欠損症では他の下垂体前葉ホルモンの分泌は原則として正常.④原発性副腎不全ではコルチゾールは低値だがACTHの前値が高く過剰反応がみられる.⑤外因性に投与される糖質コルチコイドの一部(たとえばデキサメタゾンなど)はコルチゾールとして測定されないので注意が必要.クリームなど外用薬として投与された場合でもACTHの分泌抑制の原因になりうる

●ACTHの前値が高値で無反応

[高頻度]異所性ACTH症候群 [対策]①通常,異所性ACTH症候群では血中ACTH値は下垂体腺腫の場合より高く,またACTH値の割にコルチゾール値が低い(ACTHの生物活性が低い)場合もある.②異所性産生腫瘍からのACTH分泌はデキサメタゾン8mg/日の投与で抑制されない.③小細胞肺癌や消化管・気管支カルチノイド腫瘍から異所性に分泌されることが多いので,それら腫瘍の検索が必要.④きわめてまれではあるが異所性CRH産生腫瘍により同様

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