基準値 陰性(検査施設により結果の表記法や基準値が異なるので,各施設に照会する必要がある)
測定法 ELISA
検体量 血清2mL
日数 2~3日
目的 Guillain-Barré症候群の補助診断
Decision Level
●陽性
[高頻度]Guillain-Barré症候群 [可能性]急性散在性脳脊髄炎,慢性炎症性脱髄性多発ニューロパチー,多巣性運動ニューロパチー,運動ニューロン疾患 [対策]末梢神経伝導検査などの電気生理学的検査を行う.脳脊髄液検査を行う
異常値のでるメカニズムと臨床的意義
Guillain-Barré症候群は,多くの場合に感染が先行する.この先行感染がトリガーとなって免疫系が刺激を受け,本抗体が上昇すると考えられる.消化器感染の感染因子の1つであるCampylobacter jejuniでは,本抗体陽性の患者から分離培養された菌体表面にGM1様の糖鎖構造の存在が報告され,感染因子に対する免疫反応の結果抗体が産生されるという「分子相同性機序」が提唱されている.
GM1をはじめとするガングリオシドに対するIgG抗体の上昇は,Guillain-Barré症候群に特徴的な所見であり,検出されれば同症候群の可能性が高くなる.Guillain-Barré症候群は,髄鞘が障害される脱髄型と軸索が障害される軸索型に大別できるが,抗GM1 IgG抗体は軸索型にみられることが多いとされる.しかし,脱髄型でもみられることがある.
[感度・特異度]
Guillain-Barré症候群として,感度約30%.
[関連する検査]
Guillain-Barré症候群の診断には,本抗体検査は末梢神経伝導検査および脳脊髄液検査と並んで有用な検査である.同症候群では本抗体以外の抗ガングリオシド抗体が陽性となることもあり(約3割程度),抗ガングリオシド抗体が検出できない場合もある(約4割程度).
判読
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