基準値
・T細胞百分率:66~89%
・B細胞百分率:4~13%
・Eロゼット形成細胞(T細胞)*:65~92%
測定法 モノクローナル抗体を用いたフローサイトメトリー法,まれにロゼット形成法
検体量 血液3mL(保存液加)
日数 3~5日
目的 末梢血など試料中のT細胞,B細胞の量的な変化に伴う免疫機能の変化の測定
NOTE *保険適用:ロゼット法によるリンパ球サブセット検査は保険適用されない
Decision Level
■T細胞・B細胞百分率
●T細胞増加
[高頻度]伝染性単核球症,T細胞白血病,百日咳 [対策]原疾患の診断と治療
●T細胞減少
[高頻度]ウイルス感染,全身性エリテマトーデス,白血病,リンパ腫,AIDS,免疫抑制薬治療,副腎皮質ホルモン治療,先天性免疫不全症候群(重症複合免疫不全症,胸腺無形成症,毛細血管拡張性運動失調症,アデノシンデアミナーゼ欠損症,Wiskott-Aldrich 症候群,DiGeorge症候群など) [対策]原疾患の診断と治療
●B細胞増加
[高頻度]B細胞白血病,胸腺無形成症,反応性高γ-グロブリン血症,百日咳 [対策]原疾患の診断と治療
●B細胞減少
[高頻度]重症複合免疫不全症,無または低γ-グロブリン血症,抗CD20抗体(リツキサン®)などを用いたB細胞除去療法時 [対策]原疾患の診断と治療
異常値のでるメカニズムと臨床的意義
獲得免疫系免疫応答の中心的役割を担う.T細胞とB細胞の増減をリンパ球の数と合わせて評価する.T細胞,B細胞の著明な増減は,免疫不全症の診断,リンパ性白血病の分類,免疫抑制薬の効果判定,悪性疾患の経過観察などの参考となる.
B細胞を標的とし,その数と機能を抑制する.抗CD20抗体(リツキサン®など)がリンパ腫/白血病の治療に用いられ,今後免疫疾患に対しても適用される可能性がある.治療の適応や効果の判定の参考となる.
[関連する検査]
T細胞
関連リンク
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