診療支援
検査

クロストリジオイデス・ディフィシレ(旧名:クロストリジウム・ディフィシレ)遺伝子検査   450点
nucleic acid amplification test(NAAT) for Clostridioides difficile toxin genes
田中 香お里
(岐阜大学教授・高等研究院科学研究基盤センター嫌気性菌研究分野)

基準値 陰性


測定法 リアルタイムPCR

NOTE 現時点で遺伝子抽出から検出まで自動化されている3製品が体外診断用医薬品として承認されている.いずれも専用器機が必要.

 各トキシン遺伝子のプライマーセット,その他PCRに必要な試薬(反応バッファー,dNTP,Taqポリメラーゼなど),サーマルサイクラー,電気泳動装置があれば,用手法でもPCRで実施可能.他にLAMP法も考案されている.


検体量 軟便あるいは液状便(ブリストルスケール 5以上の便が対象.固形便は検査対象とすべきではない).治療効果判定を目的とした検体の検査は推奨されない.~25℃保存で1~2日(使用キットに依存),2~8℃保存で5日以内の便.検体量は,培養検査,抗原検査の必要量より少なく,微量.10μL,綿棒の表面を覆う程度など,採用する方法により異なる.


日数 数時間


目的‍ C. difficile感染症の診断補助


Decision Level

●陽性

[高頻度]C. difficile感染症(CDI)


異常値のでるメカニズムと臨床的意義

 現時点で,体外診断用医薬品として承認が出ている3製品については,C. difficileが産生する可能性のある3種の毒素(トキシンA,トキシンB,バイナリートキシン)のうち,ヒトの病態と強く関わっているとされるトキシンB遺伝子を検出する,あるいはトキシンB遺伝子に加えてバイナリートキシンの遺伝子と病原株に存在するトキシンA,Bの産生に関わる一連の遺伝子群PaLocに存在する負の制御遺伝子tcdCの変異を検出する.バイナリートキシン産生とtcdC遺伝子変異は,欧米で問題となっている強毒性の流行株(PCRリボタイプ027)の検出を意図している.したがって,トキシンB遺伝子のみを検出するキットにおける陽性はトキシンB遺伝子が存在することを示している.加えてバイナリートキシン遺伝子,変異型tcdC

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