基準値 陰性(Δ13Cが2.5‰未満)
測定法 赤外線分光分析法
検体量 負荷前と負荷後20分の呼気を採取
日数 2~3日(赤外線分光分析法の測定時間自体は5分程度)
目的 Helicobacter pylori感染の有無の判定,除菌後の判定
Decision Level
●陽性
[高頻度]H. pylori感染者 [可能性]除菌治療後の偽陽性(H. pylori以外のウレアーゼ産生菌) [対策]除菌治療を行う.除菌後の陽性患者(一次除菌失敗例)では,再治療(二次除菌)も保険が適用(1回のみ)される.「ヘリコバクター・ピロリの検査」の項を参照→
●陰性
[高頻度]H. pylori非感染者.H. pylori除菌成功.他の検査法に比して,感度が高く偽陰性は少ない [可能性]胃切除後,下記「薬剤影響」による偽陰性
異常値のでるメカニズムと臨床的意義
本試験は非侵襲かつ簡便で感度・特異度も高く,除菌後の判定にも信頼性が高い.胃内にH. pyloriが生息する場合,尿素はH. pyloriのウレアーゼによりアンモニアとCO2に分解され,生成されたCO2は消化管から速やかに吸収され,呼気に排出されることを利用する.診断薬(13Cでラベルした尿素)服用前と服用後20分の呼気を採取して,含まれる13CO2の変化から感染診断を行う.
[関連する検査]
迅速ウレアーゼ試験:尿素呼気試験とともにH. pyloriのウレアーゼ活性を利用する検査であるが,尿素呼気試験のほうが感度は優れており,内視鏡を必要としない.本法は除菌判定に適している.
[特定背景のある患者]
自己免疫性胃炎および高度胃粘膜萎縮例では,H. pylori未感染,もしくは除菌後にもかかわらず,H.pylori以外のウレアーゼ産生性細菌の存在により偽陽性を呈することがある.未除菌例では抗ヘリコバクター抗体.除菌後例では糞便中ヘリコバクター・ピロリ抗
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