基準値 陰性
測定法 イムノクロマト法(ICA)
検体量 喀痰または上咽頭ぬぐいまたは中耳貯留液・耳漏
日数 約20分
目的 喀痰または上咽頭ぬぐいまたは中耳貯留液・耳漏中の肺炎球菌抗原の検出(肺炎球菌感染症の診断補助)
Decision Level
●陽性
[高頻度]肺炎球菌感染症 [可能性]肺炎球菌による菌血症 「肺炎球菌抗原定性(尿・髄液)」の項を参照→
異常値のでるメカニズムと臨床的意義
本検査は,肺炎球菌に共通のC-polysaccharide(C-ps)抗原を特異的に認識する抗肺炎球菌C-psポリクローナル抗体を,またはForssman抗原(F-Ag)ポリクローナル抗体を用いたイムノクロマト法を原理とした検査である.
検査材料からの直接的な診断であるため,尿中抗原検査で認められる肺炎球菌ワクチン接種後の偽陽性反応や,治癒後の継続的陽性反応の欠点を補うことができる.
[感度・特異度]
培養検査との比較では,検査材料が喀痰の場合,感度79.8~90.9%,特異度92.9~94.7%である.中耳炎患者の中耳貯留液・耳漏を用いた場合,感度81.4%,特異度75.2%,副鼻腔炎患者の上咽頭ぬぐい液を用いた場合,感度80.5%,特異度88.8%である.
[関連する検査]
喀痰が採取できない場合では,尿中肺炎球菌莢膜抗原検査および,髄液中,尿中肺炎球菌抗原検査が有用である.
[特定背景のある患者]
小児では,肺炎球菌を一定の割合で上気道に保菌している場合があるため,常在している肺炎球菌検出による偽陽性があることに留意する.
判読
①採取した試料が少ない場合は,偽陰性もしくは判定できないことがある.②採取した試料中に肺炎球菌の菌量が少ない場合(1×106個/mL)や高抗体価の抗C-ps抗体を含む場合には,偽陰性になる可能性がある.③Parvimonas micraおよびStreptococcus in
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