基準値 陰性
測定法 イムノクロマト法
検体量 子宮頸管擦過物.または男性尿道擦過物
日数 院内検査:15~30分
目的 淋菌感染症の迅速診断
Decision Level
●陽性(検出感度:5×106CFU/mL)
[高頻度]淋菌感染症 [対策]検体をグラム染色し,好中球の内外にグラム陰性の双球菌を証明する.培養ではチョコレート寒天培地,ニューヨークシティ寒天培地または選択薬剤を添加したGC培地,サイヤーマーチン培地に塗布し,炭酸ガス培養を行う.ペニシリン耐性株やニューキノロン耐性株の出現により,経口抗菌薬のみで治療することは推奨されていない.現在,第1選択薬はセフトリアキソン.第2選択薬はスペクチノマイシンである
異常値のでるメカニズムと臨床的意義
本検査は,イムノクロマト法により検体中の淋菌抗原を検出する.
淋菌感染症は,性感染症の1つであり,男性の尿道炎や女性の子宮頸管炎が主な症状である.重症例では男性の精巣上体炎,女性の卵管炎や骨盤内炎症性疾患を生じる.近年,性行動の多様化を反映して,咽頭や直腸感染など性器外の感染症例が増加している.
[感度・特異度]
培養法や遺伝子検査に比べて感度は劣る.女性検体中に20μL以上,男性検体では10μL以上の血液混入により偽陽性となることがある.
[関連する検査]
①淋菌遺伝子検査.②塗抹検査および泌尿器系の細菌培養検査を併せて行う.
判読
淋菌の生菌・死菌いずれの抗原も検出する可能性があるので,治療効果の判定には使用しない.
採取保存
所定の綿棒で検体採取し,直ちに検査できない場合は綿棒を保管用容器に入れ室温(15~30℃)で保管し,4~6時間以内に検査する.冷蔵保存(2~8℃)した場合は24時間以内に検査する.なお,淋菌の培養検査は37℃で保存する.
薬剤影響
抗菌薬投与後でも抗原検出は可能である.
測定前後の患者指導
①男性検体を採取するときは,検体採取前
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