診療支援
検査

クラミジア類 クラミジア・ニューモニエ《肺炎クラミジア》  
Chlamydia pneumoniae
藤本 文恵
(東京大学医学部附属病院・感染制御部)

基準値

・ELISA(IgG):陰性(EIU<30)

・ELISA(IgA):陰性(EIU<8)

・ELISA(IgM):陰性(S/CO<0.5)

NOTE‍ 判定基準(ELISA)

●IgG 30≦EIU≦45判定保留(28日以降に採血した血清による再検査を要する)

・EIU>45陽性

●IgA 8≦EIU≦12判定保留(28日以降に採血した血清による再検査を要する)

・EIU>12陽性

●IgM 0.5≦S/CO≦1.1判定保留(10日以上経てから再検査を要する)

・S/CO>1.1陽性


測定法

・血清抗体価測定法:ELISA法(IgG,IgA,IgM),MFA法(抗原・封入体),MIF法

・分離培養:咽喉ぬぐい液,鼻咽腔擦過物,扁桃陰窩擦過物,気管支肺胞洗浄液などをHeLa229細胞,HL細胞で培養


検体量 血清0.2mL


日数 2~4日


目的 クラミジア・ニューモニエ感染症診断のための血清抗体価の測定


NOTE‍ 保険点数:70点(IgG抗体),75点(IgA抗体),152点(IgM抗体)


Decision Level

●陽性

[高頻度]急性上気道炎(咽頭炎,扁桃炎,副鼻腔炎,喉頭炎,急性気管支炎,肺炎,胸膜炎,慢性気道感染症の急性増悪) [可能性]心筋症,心筋梗塞,関節炎,サルコイドーシス,動脈硬化,虚血性心疾患 [対策]乾性咳嗽があり慢性呼吸器疾患があるときは急性増悪の可能性を疑う.β-ラクタム系薬の使用で改善しない呼吸器感染症は,Chlamydia pneumoniaeの可能性を考慮に入れ抗菌薬の投与を考える


異常値のでるメカニズムと臨床的意義

 ヒトを自然宿主として,ヒトからヒトへ飛沫感染により呼吸器感染症を発症する.感染から症状発現までの潜伏期間は3~4週間で,接触が密接な者の間で小規模に緩徐に広がる.肺炎発症の機序としては,上気道に初感染し下降して肺炎に至るものが主とされるが,上気道感染巣から血

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