基準値
●IgG抗体 ELISA:陰性(6IU/mL未満)
●IgM抗体 ELISA:陰性(0.8未満)
測定法 ELISA
検体量 血清0.3mL
日数 2~4日
目的 トキソプラズマ症の補助診断
NOTE *保険点数:93点(トキソプラズマ抗体),95点(トキソプラズマIgM抗体)
Decision Level
●陽性(IgG 9以上,IgM 1.0以上),判定保留(IgG 6~8,IgM 0.8~0.9)
[高頻度]IgG抗体が陽性の場合,過去にトキソプラズマに感染したことがある(そして現在も感染は続いている).IgM抗体の陽性は,最近のトキソプラズマ感染を示唆する
異常値のでるメカニズムと臨床的意義
トキソプラズマ原虫は,細胞内寄生であるため抗原刺激が確実で,感染すれば特異抗体の産生率は非常に高く診断的価値は高い.
[感度・特異度]
感度は高い.IgGは1~2週間で出現,6~8週間で最高値.IgMは1週以内に出現.特異度も高いが,自己免疫性疾患では非特異的な反応がみられる場合がある.亜急性感染であるリンパ節炎の場合は抗体価が高値となり,診断に有用である.
[関連する検査]
①トキソプラズマ感染によるリンパ節炎を疑う場合には,バイオプシーや穿刺吸引細胞診で確定する.②トキソプラズマ脳炎の場合は,頭部造影CTやMRIで,病変がリング状に造影される腫瘤として示される.脳脊髄液の沈渣中に原虫を見つけることは必ずしも容易ではない.③眼トキソプラズマ症には,眼底検査や遺伝子診断(硝子体液からPCRで虫体の検出),眼内の抗体価の測定,などが行われる.④IgG avidity測定は,感染の時期の推定に用いられる.
判読
①抗体価が判定保留なら10~20日後に再検する.②健康成人のIgG抗体が陽性であった場合,たいていは不顕性感染なので経過観察となる.臨床的に問題になるのは,妊婦の初感染と,免疫不全の患者,先天性
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