基準値
・血清:4倍未満
・髄液:1倍未満
測定法 CF,NT
検体量 血清0.2~0.3mLまたは髄液0.4mL
日数
・CF:3~5日
・NT:7~13日
目的 RSウイルス感染の疑いがある場合の感染の有無の判定
Decision Level
●高値
[高頻度]RSV感染症 [対策]乳児に対しては,抗原検出法→が有用であり,迅速診断用キットも市販されている.実際には抗体価で感染の診断を行うことは少ない
異常値のでるメカニズムと臨床的意義
RSVは,respiratory(呼吸器の) syncytial(多核融合巨細胞形成) virusの頭文字より命名され,パラミクソウイルス科ニューモウイルス属のRNAウイルスである.パラインフルエンザウイルスと同じ科に属するが,赤血球凝集素,ノイラミニダーゼ活性がない.
RSVは,生後6カ月未満の乳児に細気管支炎や,肺炎などの重篤な下気道感染を引き起こし,秋から春先に流行を繰り返している.年長児や成人では鼻炎として再感染する.感染防御には,分泌型IgAが重要で,血中抗体価は長期持続するが,分泌型IgAは短期間で消失するため,再感染が起こる.再感染で重症化することはないが,未感染乳児への感染源となるので注意が必要である.
母体由来の抗体が存在する生後数カ月未満の乳児に対しては,血清学的検査の有用性は高くない.母体由来の抗体や,乳児の抗体産生能が低いためである.
[関連する検査]
入院中の患者,1歳未満の乳児,パリビズマブ製剤の適用となる患者に対し,RSウイルス抗原のイムノクロマト法による迅速診断キットを用いた検査が有用であり,保険適用である.ウイルス分離やPCR法による遺伝子検出は必要に応じて行う.
判読
①2歳以上では,抗体の上昇は著明となり,感染の推定が可能となる.②CF:感度が低い.③NT:生後6カ月以上の乳幼児で,有意な抗体価上昇が期待できる.
採取保存
一般に
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