Decision Level

●高値

[高頻度]風疹(ワクチン接種，不顕性感染含む)　[対策]先天性風疹症候群(CRS)発現の可能性がある場合，臍帯血中のウイルスの有無を遺伝子診断することが望ましい

異常値のでるメカニズムと臨床的意義

　風疹ウイルスは，トガウイルス科ルビウイルス属のエンベロープをもつ直径約60nmのRNAウイルスである．ヒトからヒトへ飛沫感染し，潜伏期は2～3週である．

　風疹ウイルス感染症は出生後の感染と，子宮内の先天感染に分けられる．前者は急性の発疹性疾患で，上気道より侵入後，局所リンパ節で増殖，ウイルス血症を経て発症する．軽度の発熱，全身の発疹とリンパ節腫脹を主徴とする感染症で，一般に予後はよい．後者は，白内障・心疾患・難聴などの先天性の異常を示す慢性持続感染である．妊娠4カ月以内の妊婦が風疹ウイルスに初感染し，胎内感染すると奇形が生まれ，CRSとなる．

　本検査は，風疹ウイルスに対する抗体をCF，HI，EIA，IFAにより測定するもので，血清学的検査の重要性は高い．

　風疹特異抗体価測定は，HIが一般的であり，風疹罹患後数十年間，徐々に力価の低下を伴いながら持続すると考えられている．したがって，抗体検索，ワクチンの適応とその判定など広く用いられている．しかし，CRS発現の危険性と，直接的な関連性は認められないため，EIA-IgMの併用が簡便で有用であ