基準値
・NT:血清4倍未満,髄液1倍未満
・HI:血清8倍未満,髄液8倍未満
測定法 NT,HI
検体量 血清0.2mLまたは髄液0.4mL
日数
・NT:7~11日
・HI:3~5日
目的 エコーウイルス感染が疑われた場合の感染の有無の判定
Decision Level
●高値
[高頻度]無菌性髄膜炎,麻痺,発疹,ヘルパンギーナ,心嚢炎,心筋症,筋痛症,気道疾患,肝炎 [対策]必要に応じてウイルス分離を行う
異常値のでるメカニズムと臨床的意義
エコーウイルスは,ピコルナウイルス科エンテロウイルス属で,中心に1本鎖RNAをもつ直径22~30nmのエンベロープを欠く,球状ウイルスである.
エコーウイルスは糞口経路によって感染し,季節的には夏季(6~9月)に多発する.このウイルスは分離された当初,ヒトの疾患が明らかではなく,患者以外に健常者からも多くの血清型の異なるウイルスが分離され,疾患との関連が不明であった.そのためenteric cytopathogenic human orphan virusesの頭文字をとってエコー(ECHO)と呼ばれた.
現在では,ヒトの疾患も明らかとなり,ヒト由来のものとして,1~7,9,11~27,29~33型に分類されている.まれに特定の血清型による無菌性髄膜炎の集団発生が認められる.臨床的には,コクサッキーウイルス感染と区別できないことが多い.
エコーウイルスは多くの血清型が存在し,不顕性感染もみられるので,血清学的診断はあまり重要視されないが,ウイルス分離の裏づけとしての抗体検査の意義は高いと考えられている.
判読
①NT抗体の急性期と回復期のペア血清における4倍以上の上昇があれば有意.②NT抗体価を知ることにより,エコーウイルス感染の有無,血清型が明らかとなるが,血清学的診断は困難である.
採取保存
冷蔵保存.
保険注意
「日本脳炎ウイルス抗体」の項参照→.
推奨する
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