基準値 陰性(陽性細胞率≦10%)
測定法 IHC法にて腫瘍細胞中の免疫反応陽性細胞数を測定し,陽性細胞率を算定
検体量 組織2cm×2cm程度
日数 3~10日
目的 ホルモン依存性増殖を示す腫瘍の治療法選択
Decision Level
●陽性
[高頻度]乳癌(現時点では検査の適応は乳癌のみであるが,子宮体癌,甲状腺癌,髄膜腫などでの有用性も検討されている) [対策]エストロゲンレセプター陽性の乳癌では内分泌療法が50~60%に有効であり,施行を検討する.また,プロゲステロンレセプター,HER2/neu蛋白などの発現状態を併せて確認し,腫瘍の性質を評価する
異常値のでるメカニズムと臨床的意義
エストロゲンレセプターは子宮,乳腺,中枢神経系,血管平滑筋を含め広く分布している.エストロゲンレセプターは核内受容体ファミリーの1つであり,エストロゲンはこの受容体を介して細胞の増殖を亢進させる働きをもっている.乳癌などの一部の癌では,腫瘍の増殖をこのホルモンに依存しているものがある.そのようなエストロゲン依存性の乳癌に対しては抗エストロゲン薬などの内分泌療法がきわめて有効であり,エストロゲンレセプターの発現を調べることは,治療方針の決定や予後の推定という点において重要な意味をもっている.そのため2000年の米国腫瘍学会では乳癌症例全例においてレセプターの検索を行うことを推奨している.また,従来は組織から蛋白を抽出するEIA法による測定が主流であったが,最近では病理標本で浸潤癌組織を確認しながら免疫組織化学的に陽性細胞の判定を行うIHC法がより有用であることが強調されてきており,わが国でも2002年からIHC法の抗体が保険収載された.
[関連する検査]
プロゲステロンレセプターを併用して測定することにより内分泌療法の選択や治療効果予測に役立つ.
判読
①エストロゲンレセプターは,正常の子宮,腟,卵巣,乳
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