診療支援
検査

RET融合遺伝子〔RET chimeric gene〕  
rearranged during transfection chimeric gene
角南 久仁子
(国立がん研究センター中央病院・臨床検査科)

測定法 オンコマインTM Dx Target Test マルチCDx システム:次世代シーケンシング (NGS) (アンプリコンシーケンス法)


検体量 腫瘍組織(FFPE):5μm×5~10枚 (腫瘍細胞含有割合30%以上が必要)


日数 約2週間


目的 非小細胞肺癌および甲状腺癌におけるセルペルカチニブの適応判断


NOTE‍ 保険点数:①1,4000点(非小細胞肺癌のEGFR変異,ROS1融合,ALK融合,BRAF変異,RET融合を合わせて),②5,000点(甲状腺癌のRET変異,RET融合を合わせて)


Decision Level

[高頻度]非小細胞肺癌,甲状腺癌 [可能性]RET融合陽性肺癌,RET融合陽性甲状腺癌 [対策] RET阻害薬(セルペルカチニブ)の投与を検討する


異常値のでるメカニズムと臨床的意義

‍ RET遺伝子は癌遺伝子で受容体型チロシンキナーゼをコードしている.主にcoiled-coilドメインをもつ遺伝子とRET遺伝子が融合することで,リガンドの結合に依存しない二量体化が起こり,恒常的活性化が引き起こされる.オンコマインTM Dx Target Test マルチCDxシステムではRNAを用いてRET融合遺伝子の検出を行う.RET融合遺伝子を検出することで,RET選択的チロシンキナーゼ阻害薬であるセルペルカチニブの適応判断を行う.


[関連する検査]

 がんゲノムプロファイリング検査(FoundationOne® CDx,FoundationOne® Liquid CDx,OncoGuideTM NCCオンコパネルシステム)においてもRET融合遺伝子は検出可能である.これらの検査はセルペルカチニブのコンパニオン診断ではないが,当該癌種においてRET融合遺伝子が検出された場合,がんゲノム医療中核拠点病院や拠点病院で実施されるエキスパートパネル(がんゲノムプロファイリング検査

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