診療支援
検査

肺結核症
久田 哲哉
(世田谷通り桜内科クリニック院長)

病態

 結核菌による肺感染症


[参考]

 結核診療ガイド,2018


異常値

・白血球数 基準値~基準値以上

・赤沈 基準値以上

・CRP 基準値~基準値以上

・インターフェロン-γ遊離試験(interferon-gamma release assay;IGRA)(クォンティフェロン®TBゴールドプラス,T-SPOT®など) 陽性(基準値以上)

・胸部X線およびCT 典型的には上葉,S6の浸潤影.しばしば空洞を伴う

・胸水 結核性胸膜炎では滲出液でリンパ球優位,アデノシンデアミナーゼ(ADA)基準値以上


経過観察のための検査項目とその測定頻度

●末梢血検査‍ [急性期]治療効果判定および副作用モニターのため1週ごと [回復期]治療効果判定および副作用モニターのため1カ月ごと

●胸部X線‍ [急性期]重症度および治療効果判定のため1週ごと [回復期]治療効果判定および再発・再燃の早期発見のため1カ月ごと

●喀痰培養‍ [急性期]肺結核の診断および抗結核薬に対する感受性の検索のため連日3日間 [回復期]治療効果の判定および再発・再燃の早期発見のため1カ月ごと

●胸部CT‍ [急性期]肺結核の診断および重症度の判定のため1回 [その他]治癒の確認のため回復後再検


診断・経過観察上のポイント

①検査データ上,赤沈のみ異常を示す例も多い.赤沈は病勢も敏感に反映し,経過を追ううえで重要である.②全血検査のIGRAが保険適用されており,ツベルクリン反応より感度,特異性に優れる.③喀痰採取が困難な場合,胃液の抗酸菌培養も有用.④緊急性のある場合,診断困難な場合など適宜,通常の培養検査に核酸増殖法(PCR法),DNA診断法などを併用する.⑤他疾患との鑑別も含めて,ツベルクリン反応を行う.⑥胸膜炎があり,一般検査で鑑別がつかない場合,胸膜生検も有用である.⑦ピラジナミドによる肝機能障害や,ストレプトマイシンによる腎機能障害,聴力

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