診療支援
検査

サルコイドーシス
武内 浩一郎
(関川病院内科)

病態

 原因不明の全身性類上皮細胞性肉芽腫症


[参考]

 サルコイドーシス診療の手引き2020


異常値

●胸部X線

・肺門型:両側肺門リンパ節腫脹(BHLまたはUHL)

・肺門・肺野型:BHL・肺野浸潤影

・肺野型:肺野浸潤影のみ

・肺線維型:萎縮硬化像

●胸部CT 肺血管影の不規則な腫脹,小結節像,胸膜面の凹凸,気管支壁肥厚像

●呼吸機能 VC,DLCOPaO2の低下

●気管支鏡 網状血管新生,小結節

●気管支肺胞洗浄(BAL)所見 総細胞数,リンパ球の増加,CD4/8上昇.喫煙歴を考慮.ベリリウム肺は同様のBAL所見なので除外

●ツベルクリン反応 陰性

●γ-グロブリン 上昇

●血清ACE 上昇(活動期症例の2/3以上)

●血清リゾチーム 上昇

●血清Ca 上昇(症例の10%前後)

●血清可溶性インターロイキン-2受容体 高値

67GaシンチグラムまたはPET リンパ節,肺に集積像

●病理組織学的所見(経気管支肺生検,リンパ節生検,肝生検など) 類上皮細胞からなる乾酪壊死を伴わない肉芽腫病変


経過観察のための検査項目とその測定頻度

●ACE‍ [急性期]1カ月ごと [慢性期]3カ月ごと.サルコイドーシスでの上昇は,類上皮細胞からのACE産生が関与していることが推測されており,血清ACEは,急性期の活動性の指標として,また,再燃の監視に有効である

●胸部X線‍ [急性期]2週間~1カ月ごと [慢性期]3~6カ月ごと

●眼検査‍ [急性期]適宜


診断・経過観察上のポイント

①初診以後,2年までに病変が消失しやすい因子として,若年,無自覚,肺病変,眼病変なし,皮膚病変なし,心電図異常所見なし,ACE値正常があげられている.②血清ACEの高値,BAL中のリンパ球数,CD4/8比,総細胞数の増加,67Gaの肺への取り込みの程度の高いものが,サルコイドーシスの活動性が高いと考えられているが,予後の指標とはなりえない.予後が定まるに

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