診療支援
検査

本態性高血圧症
高橋 敦彦
(日本大学短期大学部教授・食物栄養学科)
久代 登志男
(ライフ・プランニング・センター理事長・日野原記念クリニック所長)

病態

 原因不明の高血圧


[参考]

 高血圧治療ガイドライン2019


異常値

●尿検査

蛋白 腎障害の進行とともに陽性〔微量アルブミン尿(スポット尿)>30mg/gCr〕

沈渣 腎障害がある例で認められるようになる

●腎機能検査

BUN 腎障害がある例で基準値以上

Cr 腎障害がある例で基準値以上

eGFR(推算糸球体濾過量) (mL/分/1.73m2)=194×Cr-1.094×Age-0.287(女性は×0.739).サルコペニアなど筋肉量の減少がある場合には,シスタチンCによるeGFRも利用する

●胸部X線 心拡大(心胸郭比>50%)

●心電図 左室肥大(Sokolow-Lyon法,Cornell voltage法,ストレインパターン),QT時間の延長,QT dispersionの増大,異常Q波,心房細動

●超音波(心エコー) 左室肥大(左室心筋重量増加,左室相対的壁肥厚),左室駆出分画,左室拡張能低下,心房径増加

●眼底検査 高血圧性変化(動脈壁の形態変化,白斑,出血,乳頭浮腫),動脈硬化性変化


経過観察のための検査項目とその測定頻度

●血液生化学(含む腎機能検査)‍ [急性期]1カ月ごと [定期的スクリーニング]6カ月ごと(降圧薬の副作用についても検査を行う)

●尿検査‍ [急性期]1カ月ごと [定期的スクリーニング]6カ月ごと

●胸部X線‍ [定期的スクリーニング]1年ごと

●心電図‍ [回復期]3カ月ごと [定期的スクリーニング]1年ごと

●超音波(心エコー)‍ [回復期]6カ月ごと.早いものでは2カ月以内に左室肥大の退縮のみられる例もある.降圧治療に伴う所見改善は予後改善を反映する [定期的スクリーニング]1~2年ごと

●眼底検査‍ [定期的スクリーニング]1年ごと


診断・経過観察上のポイント

①診断は二次性高血圧の除外診断による.②血圧値(表217)のみではなく,脳心血管病の危険因子および臓

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