病態
自己免疫機序による外分泌腺を中心とした慢性炎症性の全身性疾患.主に涙腺,唾液腺の炎症と破壊により,ドライアイ,ドライマウスをきたす.腺外症状として,リンパ腫,間質性腎炎,関節炎,血管炎,間質性肺炎などを呈することがある
[参考]
シェーグレン症候群の診断と治療マニュアル改訂第3版,2018
異常値
・赤沈 亢進することがある
・抗核抗体 陽性:原発性Sjögren症候群における陽性率は,59~85%
・γ-グロブリン 増加(2~3g/dL.ときにそれ以上).ポリクローナルな高γ-グロブリン血症を認めることがある
・抗SS-A/Ro抗体 陽性のことが多い.原発性Sjögren症候群における陽性率は33~74%.診断における感度が高い
・抗SS-B/La抗体 陽性のことがある.原発性Sjögren症候群における陽性率は23~52%.診断における特異度が高い
・リウマトイド因子 陽性のことがある.原発性Sjögren症候群における陽性率は36~74%
・C3,C4,CH50 低補体血症を認めることがある
・クリオグロブリン 検出されることがある
NOTE 眼科的には,ドライアイを判定するための検査としてSchirmer's test,Rose bengal test,唾液腺に関しては,唾液分泌量低下を確認する検査としてガムテストまたはサクソンテスト,さらに唾液腺造影,唾液腺シンチグラフィー,口唇生検などが診断,病期判定などのために行われる
経過観察のための検査項目とその測定頻度
●抗核抗体 診断のため測定する.活動性には相関しない [急性期]1回 [慢性期]1~2年ごと
●γ-グロブリン 活動性判定のために測定する [急性期]2週~1カ月ごと [慢性期]3~6カ月ごと
●IgG 活動性の判定 [急性期]1回 [慢性期]6カ月ごと
●抗SS-A/Ro抗体,抗SS-B/La抗体 診断のために測定する.活動性の
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