A.ER診療のポイント
●頭痛を訴えてERを受診する患者は全患者の約3%に及ぶ.頭痛で受診する患者は,放置しておくと重篤な状態になるのではないかという不安を抱いている場合と,とにかく痛みを何とかしてほしいと願って受診する場合の2つに集約される.
●国際頭痛学会の頭痛分類は,一次性頭痛(機能性頭痛)と二次性頭痛(症候性頭痛)に分けている.二次性頭痛の中で重症度の高い疾患としては,くも膜下出血(SAH),頭蓋内出血,虚血性脳血管障害,動脈解離,髄膜炎・脳炎,脳膿瘍,慢性硬膜下血腫,脳静脈洞血栓症,側頭動脈炎,特発性頭蓋内圧亢進症などがあり,初期診療医はこれらの疾患の中で優先順位をつけながら診療を進めていく.
●ER医は診断がついてから,その患者の病態を最適な状態に維持し,専門的な治療へ円滑に移行できるよう管理しなければならない.
以上のことから頭痛診療のERのポイントは,①重症度の高い疾患を見逃さな
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