A.ER診療のポイント
●脱水は様々な要因で起こるが,重篤な場合ショックとなり,意識障害も起こり,さらには呼吸不全となり致死的となる可能性がある.ABC・安定化から入る.
●低容量性以外のショックを起こす病態の鑑別も重要である.
●消化器系の疾患が原因としての頻度が多いが,消化器疾患以外で心血管系,神経系,婦人科系,耳鼻科,眼科,中毒,内分泌代謝系などと様々な疾患の可能性もある.
●中枢神経疾患(アルツハイマー病・認知症,脳炎・髄膜炎,薬物摂取を含む代謝性疾患も含む)で意識低下のため,口渇中枢の刺激に対応して適切に水分摂取ができない場合や,筋末梢神経疾患などで口渇中枢の刺激には対応しても物理的に水分摂取ができない場合でも重篤となることがある.
●両極端の年齢層では,上記を合併することもある上に,生理的に,より脱水となりやすく重症化しやすい.
B.最初の処置
1安定化,ABC
①意識障害があるか,バイタルサ