診療支援
治療

徐脈性不整脈
bradyarrhythmia
花田裕之
(弘前大学准教授・救急災害医学)

A.疾患・病態の概要

●心拍数60/分未満を徐脈と定義する.しかし,徐脈そのものだけでは病的とはしない.心拍数の低下により,心拍出量が低下し,臓器低灌流による症状を呈する場合が病的である.心拍出量(CO)=心拍数(HR)×1回拍出量(SV)である.ある程度のHRの低下にはSVを増加させて対応できるが,極度の心拍数低下ではCO低下となって,症状を呈する.持続的な徐脈ではないが,一過性の心停止により失神などの症状を呈する場合も,徐脈性不整脈として扱う.

●治療が必要な徐脈

 ①徐脈により,自覚症状,他覚症状があれば,徐脈の原因となった不整脈の種類を問わず,症候性の徐脈と診断され,治療が求められる(症候性の徐脈).高齢者では,ただ何となく具合が悪い,最近ぼけが進行したといったたぐいの症状もある.症候性の中でも循環動態が不安定となる場合は早急な対応が求められる(表11)

 ②安定しているように見えて

関連リンク

この記事は医学書院IDユーザー(会員)限定です。登録すると続きをお読みいただけます。

ログイン
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら