A.小児ならではのポイント
●意識障害は初期対応の良否が神経学的予後に直結する緊急事態で,意識障害が持続する児は全身管理が必要となるため,直ちに自施設の小児科医にコンサルトするか,小児科専門医が常駐する医療機関へ速やかに搬送することが望ましい.なお,搬送時の呼吸・心停止の可能性があれば気管挿管した上で搬送する.
●意識障害の原因は多様で(表1図),約半数は脳以外の原因でも起こりうる.小児でよくみるのは痙攣後(有熱性と無熱性の場合がある),急性脳症,化膿性髄膜炎,低血糖症,中等~重症の脱水,頭部外傷(虐待を含む),薬物中毒(誤飲)など.
●乳幼児は気道内径が絶対的に細く,気道抵抗が大きい上に,口腔内に占める舌の容積が大きく,舌根沈下による気道閉塞を起こしやすい.さらに,成人の喉頭は円筒形であるのに対して,乳幼児の喉頭は円錐形で先にいくほど狭くなっているため,意識障害児をみた時にはまず気道を確保して
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