A.心電図検査
迅速かつ簡便に実施でき救急診療に必要不可欠な検査である.救急現場・救急室(ER)で,可及的速やか(患者接触後10分以内)にECGを記録し,その所見から病態を把握することが要求される.なぜならば,そのECG評価から救命救急処置(循環管理)・救急治療の第一選択が異なるからである.
救急ECGの,評価要点は以下のごとくである.
1どのような救命救急処置が必要か?
➊心停止時の主要3病態の把握に有用:①心室細動・無脈性心室頻拍,②無脈性電気活動,③心静止
➋ショック時の主要3病態の把握に有用:①容量の問題,②ポンプの問題,③心拍リズムの問題
2どのような救急治療が必要か?
➊急性冠症候群の主要2病態の把握に有用:①ST上昇型急性心筋梗塞,②非ST上昇型急性心筋梗塞・不安定狭心症
➋不整脈の主要2病態の把握に有用:①頻拍性,②徐拍性,③その他(R on T,QT延長,Brugada症候群など)