全身倦怠感とは
定義
全身倦怠感とは,身体的,精神的に「だるい」と感じる自覚症状を指し,疲労感,易疲労感などとほぼ同義に用いられる.
健常者でも,過度の肉体的・精神的労働を行うと疲労が残り,倦怠感を感じる.これらは休息をとれば自然と回復するもので,“生理的疲労”と呼ばれる.休んでも回復しない場合,あるいは疲労を感じさせるほどの労働もしていない場合に,病的な倦怠感と考える.
患者の訴え方
患者は,「だるくてたまらない」「疲れがとれない」「起きていられない」などと訴える.たとえば急性肝炎の急性期には,「口を開くのもつらい」ほど強い倦怠感がある.
なお,「気力がない」「活力が出ない」などといった訴えもある.ただし,これらはむしろ無気力感を示し,器質性疾患というよりも精神神経疾患の可能性が高い.
患者が全身倦怠感を訴える頻度
全身倦怠感を主訴として来院する患者は比較的多く,外来患者のほぼ1〜3%を占める