診療支援
診断

瞳孔異常
dyscoria
土谷 治久
(佐田診療所 所長)
山下 一也
(島根県立大学 学長)

瞳孔異常とは

定義

 瞳孔異常は,左右瞳孔径の不同を示すが,単に左右瞳孔を見比べただけで検出できるもの〔瞳孔不同(anisocoria)〕と,特別な検査や手技で検出できる瞳孔異常〔Marcus Gunn(マーカス ガン)瞳孔,求心性瞳孔異常(afferent pupillary defect),対光近見反応解離(light-near dissociation)〕がある.

患者の訴え方

 瞳孔の機能は,網膜に入ってくる光量調節とピント調節であるため,「像がぼやけてよく見えない」「光をまぶしく,あるいは暗く感じる」などを訴える.しかし,瞳孔異常による自覚症状は軽いことが多く,他の合併している神経症候,たとえば動眼神経麻痺,Horner(ホルネル)症候群の症状を訴えることも多い.

患者が瞳孔異常を訴える頻度

 瞳孔異常のなかで,散瞳をきたす場合は動眼神経麻痺の頻度が最も高く,縮瞳をきたす場合はHorner症

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