瞳孔異常とは
定義
瞳孔異常は,左右瞳孔径の不同を示すが,単に左右瞳孔を見比べただけで検出できるもの〔瞳孔不同(anisocoria)〕と,特別な検査や手技で検出できる瞳孔異常〔Marcus Gunn(マーカス ガン)瞳孔,求心性瞳孔異常(afferent pupillary defect),対光近見反応解離(light-near dissociation)〕がある.
患者の訴え方
瞳孔の機能は,網膜に入ってくる光量調節とピント調節であるため,「像がぼやけてよく見えない」「光をまぶしく,あるいは暗く感じる」などを訴える.しかし,瞳孔異常による自覚症状は軽いことが多く,他の合併している神経症候,たとえば動眼神経麻痺,Horner(ホルネル)症候群の症状を訴えることも多い.
患者が瞳孔異常を訴える頻度
瞳孔異常のなかで,散瞳をきたす場合は動眼神経麻痺の頻度が最も高く,縮瞳をきたす場合はHorner症