最初の10分メモ
含有する製品
・処方薬:アスピリン(バイアスピリン100®薬(1錠中100mg),バファリン330mg®(1錠中330mg),バファリン81mg®(1錠中81mg),アスピリン®薬(末))
・OTC薬:アスピリン含有合剤(エキセドリンA®(1錠中250mg),バファリンA(1錠中330mg),バファリンプラスS(1錠中250mg)など
診断のポイント
・感冒薬,鎮痛・解熱薬,抗血小板薬などの服用歴のある患者に,高体温,耳鳴り・難聴,過呼吸・頻呼吸,悪心・嘔吐などを認める.
・市販の感冒薬,鎮痛・解熱薬にはdl-ジメチルエフェドリン塩酸塩またはジヒドロコデインリン酸塩も配合されていることが多いので,Triage DOA®で,AMP(アンフェタミン類)またはOPI(オピオイド類)が陽性となればアスピリン中毒を疑う(→尿のスクリーニング検査:1)Triage DOA®参照).
・アスピリン中毒を疑ったら,サリチル酸の血中濃度をただちに測定する.
・胃内に大きな薬物塊があると,X線不透過像を認める.
治療のポイント
・過量服薬ではサリチル酸の尿中排泄の割合が大きくなっているので,輸液療法によって尿量を確保.
・血液透析法の適応がない中等症~重症患者には尿のアルカリ化を施行.
・重症患者には酸・塩基平衡および電解質異常も同時に補正できる血液透析法を施行.
Do&Don't
・サリチル酸の血中濃度の持続的な上昇や腹部X線より胃内の薬物塊が疑われたら内視鏡を施行.
・サリチル酸の血中濃度および動脈血ガスを繰り返し測定.
・血清カリウム値などの血清電解質濃度を必要に応じてチェック.
概説
アスピリンは,プロスタグランジンの産生を抑制して,鎮痛・解熱作用および抗炎症作用を発揮する.さらに,血小板膜にアセチル基を供与して,血小板凝集能を非可逆的に阻害する抗血小板作用を発揮する.アスピリンは,鎮痛・解熱薬または
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