症候を診るポイント
●原因となっている基礎疾患を見落とさない.
▼定義
排便習慣には個人差が大きく,患者が便秘という言葉で意味する内容もさまざまである.医学的に便秘とは「本来体外に排出すべき糞便を十分量かつ快適に排出できない状態」と『慢性便秘症診療ガイドライン2017』で定義されている.
▼病態生理
慢性便秘症は,食物繊維と水分の摂取不足,結腸の通過障害,肛門機能の異常によって生じる.これらは,腸管神経障害,特定の薬物,高齢,消化管を侵す多数の系統性疾患が原因で起こる.
▼初期対応
初期対応で重要なのは,緊急に処置を要するかの判断を行うことである.強い腹痛,腸音の異常,嘔吐を伴う場合はイレウスを疑い緊急に対処する.
慢性便秘症の場合は,問診・身体診察を行い病状における病型分類を行う.原因は器質性と機能性に分けられ,症状から排便回数減少型・排便困難型に,病態から大腸通過正常型・大腸通過遅延型・便排出
関連リンク
- 治療薬マニュアル2024/(合剤)ダイオウ・センナ配合剤《セチロ》
- 治療薬マニュアル2024/クエン酸マグネシウム《マグコロール》
- 治療薬マニュアル2024/硫酸マグネシウム水和物(略称:硫苦,硫麻)《硫酸マグネシウム》
- 今日の治療指針2024年版/下痢
- 今日の治療指針2024年版/便秘
- 今日の治療指針2024年版/消化管疾患のガイドライン【慢性便秘症】
- ジェネラリストのための内科診断リファレンス 第2版/3 胃もたれ・心窩部痛
- 今日の救急治療指針 第2版/下痢・便秘
- 内科診断学 第4版/便秘
- 新臨床内科学 第10版/【4】下痢
- 今日の診断指針 第8版/慢性下痢
- 今日の診断指針 第8版/便秘
- 今日の小児治療指針 第17版/消化器系の訴え